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◆セイウチ(海象)は、哺乳綱ネコ目セイウチ科セイウチ属に、分類される鰭脚類です。
本種のみでセイウチ科セイウチ属を形成します。
名はロシア語でトドを意味する「シヴーチ」 (сивуч) に由来します。
体長270〜360cm、体重500〜1,200kgほどになります。 |
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皮膚には体毛が無いものの、厚い脂肪で覆われ寒冷地での生活に適応しています。
口の周りには堅い髭が密集します。
この髭は海底で獲物を探す際に役立ちます。
雌雄共に上顎の犬歯(牙)が発達し、オスは100cmにも達します。
この牙はオス同士の闘争に用いる、外敵に対する武器、海底で獲物を掘り起こす、陸に上がる際に支えにする等の用途があります。
またこの牙は生涯を通じて伸び続けます。
氷山や海岸にオスとメス、幼体からなる大規模な群れを形成し生活します。
オス同士の間で、メスをめぐる戦いに勝ち抜いた個体が、多くのメスを所有するハーレムを形成します。
群れに向かってきたホッキョクグマに対しパニックを起こし、逃げようとした他の個体の下敷きで轢死し、捕食された例も報告されています
(特に子供の個体は危険です)。
しかし成獣の個体が、逆にホッキョクグマを追い返す姿も確認されています。
なお、セイウチの牙は、急所を突けば、ホッキョクグマの四肢や内臓に、
大損傷を与え得る威力とサイズを持ちますが、ホッキョクグマの爪や牙では、成体セイウチの分厚い脂肪に阻まれ、致命傷を与える事は難しいとされます。
これらのリスクにより、ホッキョクグマがセイウチを襲うことは稀です。
なお、海中でシャチに襲われる例は、確認されています。
食性は動物食で、貝類等の軟体動物、甲殻類等を食べます。
またワモンアザラシの幼獣を捕食する場合もあります。 |
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