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◆ジュゴン(儒艮)はジュゴン目ジュゴン科に属する海棲哺乳類の1種です。
ジュゴン科は、かつては2属2種でしたが、1760年代にステラーカイギュウが絶滅したため、現在はジュゴンのみ1属1種です。
体長2.5m前後(最大3.3m)、体重は平均230〜500kgといわれます。
最高は908kgとの記録が残されています。
前肢は短く顔には届きません。 |
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尾鰭は半月状で、前足の付け根に乳房があります。
繊維が多く、消化しにくい海草を食べるので、45mという長い腸を持っています。
単独で、または数頭の少群で暮らします。
つがいで行動することはなく、群で行動するのは授乳中の母子のみともいいます。
遊泳速度は時速3kmほど、潜水の深度は深くて12mほどです。
2〜12分ごとに呼吸のために浮上します。
好奇心旺盛で、潜水漁をしている漁師の様子を見に来ることもありますが、音には敏感で、船のエンジン音を聞くと一目散に逃げるといいます。
ウミガメとは食性が似ていることから、一緒に遊泳したり、時にはジュゴンが、ウミガメと遊んでいるかのような光景が見られることがあります。
浅い砂地の海に生えるアマモやアンフィボリス等の海草を食べます。
アマモ類は藻類ではなく、むしろ地上の草に近い植物ですが、ジュゴンは極端な偏食であるため、餌場であるアマモの藻場(もば)がなくなれば、その地域では絶滅します。
海草のほか、ゴカイ、カニ、ホヤなどを補助栄養とすることがあります。
鳥羽水族館のジュゴンを例にとると、1日に体重の約8〜10%の海草を食べます。
くちびるや頬は大きく発達し、大量の海草を食べるのに適します。
また植物のセルロース(細胞壁)を消化するため発達した盲腸をもちます。 |
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