入浴
◆入浴とは、主に人が身体の清潔を保つことを目的として、湯や水・水蒸気などに身体を浸すことを指します。

もともと日本では神道の風習で、川や滝で行われた沐浴の一種と思われる、禊(みそぎ)の慣習が古くより行われていたと考えられています。
仏教が伝来した時、建立された寺院には湯堂、浴堂とよばれる沐浴のための施設が作られました。

もともとは僧尼のための施設でしたが、仏教においては、病を退けて福を招来するものとして入浴が奨励され、『仏説温室洗浴衆僧経』と呼ばれる経典も存在し、施浴によって一般民衆への開放も、進んだといわれています。

特に光明皇后が建設を指示し、貧困層への入浴治療を目的としていたといわれる、法華寺の浴堂は有名です。
当時の入浴は湯につかるわけではなく、薬草などを入れた湯を沸かし、その蒸気を浴堂内に取り込んだ、蒸し風呂形式でした。

平安時代、鎌倉時代になると寺院にあった蒸し風呂様式の浴堂の施設を、上級の公家や武家の屋敷内に取り込む様式が現れます。

『枕草子』などにも、蒸し風呂の様子が記述されています。
次第に宗教的意味が薄れ、衛生面や遊興面での色彩が強くなったと考えられています。

浴槽にお湯を張り、そこに体を浸かるというスタイルが、いつ頃発生したかは不明です。
古くから桶に水を入れて体を洗う行水というスタイルと、蒸し風呂が融合してできたと考えられています。

この入浴方法が、一般化したのは江戸時代に入ってからと考えられています。

スポンサードリンク

HOME(みさきのイラスト素材)